J-POPが最も密接に関係してきた他の大衆文化は、もしかしたらTVドラマかもしれない。

いわゆるトレンディドラマと呼ばれるものが放送され始めたのが1980年代後半。そこから2000年代初頭まで、人気のTVドラマは時に30%以上の視聴率を誇ったが、その後TV離れや日本人の生活習慣の変化などからその視聴率は下降していく。そしてその興亡はJ-POPのそれとほぼ同じ曲線を描くことになるのだ。

若者の文化の中心となったTVドラマとそのテーマ曲

若者たちの新しい恋愛模様を描くことで人気を博したトレンディドラマは、フジテレビが仕掛けた月9の登場でその人気を確たるものとする。

その月9を代表するドラマが「東京ラブストーリー」で、最終回の視聴率は32.3%にも及んだ。そしてそのテーマ曲となった小田和正の「ラブストーリーは突然に」はシングル約270万枚を売り上げ、当時の日本におけるCDシングル売上記録を打ち立てた。

その後人気ドラマの主題歌は次々とヒットを重ねていく。これは当時のTVドラマが若者たちの文化の中心にあったことを意味する。友人との会話の話題は人気ドラマについて。友人と遊びに行く所はカラオケボックスで、歌う曲はもちろんTVドラマのテーマ曲。そしてその曲を覚えるためにCDを購入するのである。

こういった若者文化の中心地からTVドラマが滑り落ちていくのと同時に、CD売り上げが落ちていくのは決して偶然ではなかったのだ。

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